経営学 その31「多角化」
こんばんわ!
本日もお越し頂きまして、ありがとうございます。
本日は
「多角化」
についてお話できればと存じます。
最後までお付き合い頂けると幸いです
多角化
企業が成長する方法として新たな分野に進出することであり、新たな製品を開発したり新たな市場を開拓したりすることなどを言う。
アンゾフマトリクス
アンゾフ博士が「多角化のための戦略」という論文で提唱した有名なフレームワークである「アンゾフマトリクス」。縦軸を「市場」、横軸を「商品・サービス」とおき4つに区分けをしたものです。
多角化戦略を検討する際には、このマトリクスを用い、次の4つに整理して考えることが便利です。水平型・垂直型・集中型・集成型の4つです。
① 垂直型多角化 <既存市場に既存製品>
売ったことのある市場に、既に持っている製品を売っていく
リスクが一番低い 成功率が一番高い。
部品の製造(上流)や販売(下流)に手を広げる多角化です。
例えば、織物会社が婦人服などの最終製品にまで仕上げて販売する場合。
例えば、ゲームセンター用のゲーム機を製造しているゲームメーカーが自らゲームセンターを経営するようにした場合。
既存製品の生産段階や流通段階に対する多角化である垂直型多角化は、前方的多角化と後方的多角化とに分けられます。
前方的多角化とは、製造業が販売会社を設立して流通段階に進出するような多角化であり、
後方的多角化は、製造業が部品・原材料にさかのぼって多角化をするようなことをいいます
② 水平多角化 <既存市場に新製品>
売ったことのある市場に、新しい製品を売っていく
リスク低いが0ではないが成功率は高い
流通の共有 顧客を掴んで製品開発
事業機会の見極めと企業家精神が鍵
同じ分野での事業を広げる多角化です。
例えば、乗用車を生産していた企業がトラックを生産する場合
例えば オートバイを生産していたホンダが乗用車の生産を開始
現在の顧客と大体同じタイプの顧客を対象にして、新しい製品分野に進出する多角化である。
しかし、同じタイプの顧客層を対象とするため、劇的な効果が期待できない場合も多い。
既存製品と同じ市場に止まるので、成長性・収益性が大きく改善される可能性は低いのです。
③ 集中型多角化<新規市場に既存製品>
新しい市場に、売ったことのある商品を売っていく
リスクはやや高い 成功率は低くはない
技術の共有 標準化と業務課程の整備が必要
新しい域への市場調査が鍵
特定の中核となる技術に関連する分野に進出する多角化です。
例えば、食品メーカーがバイオ事業に進出する場合。
例えば 清酒製造業者が化粧品事業に進出する場合。
既存製品と新製品との間でマーケティングや技術の面で関連を持たせて、新たな市場に進出する多角化である集中型多角化は、特殊な技術能力やマーケティング能力を持つ企業が、成長分野において、その経営資源を効果的に適用すれば、シナジー効果が十分に期待できます。
④ 集成型多角化 <新規市場に新製品>
新しい市場に、新製品を売っていく
リスクは高い 成功率は極めて低い
相乗(シナジー)効果が効かない
大企業が規模拡大で買収するなどが代表例(M&A)
従来の事業とは直接には関係のない分野に、進出する多角化です。
例えば、スーパーマーケットが銀行業務に進出する場合
例えば トヨタ自動車が通信事業や金融・植林事業に進出する場合
集成型多角化とは、既存の製品と市場の双方にほとんど関連のない新しい分野への多角化であるため、シナジー効果が期待できないことから、単一事業としてのリスクは大きい。
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